ステージの日々

本の仕事・・・執筆をしながら、所謂、営業のバンドでの演奏が続いた。

近場は関東から、遠くは大阪まで、車の移動もあった。

ジョージさんのバックバンドでは、最初の2〜3回で曲やステージ構成が分かり、注意しなくてはいけないのはジョージさんのその日その日の”ノリ”。そして、気分。

譜面は、最後まで見ていた。
・・・というより、「曲順表」的なニュアンスが多かった。


それでも、途中で、どんどん新曲が入ってくる。
PAチェック”をかねて、新曲のリハーサル。それも、しっかりとしたアレンジがなされているので、譜面通りにやれれば「OK!」・・・というのが、営業の世界の定籍なのだが、ジョージさんの場合はそれでは終わらない事が多かった。

要するに、アレンジに対する「ダメだし」なわけで、”納得”いくまでやる。
PAチェック」に5〜10分。そのまま新曲チェックで1時間・・・なんて言う事はザラだった。


電車移動、飛行機移動でも、結局はタクシーに分乗してホテルやホールに乗り込む。

先入りしている”PAのオペレーター”は同じ顔馴染み。
1年もツアーをやっていると、お互い性格も知れたもの。


ホテルの前で車を降りると、たいがい、ロビーに「ディナー・ショー」のポスターがデカデカと置いて在る。

それを横目で見ながら、階とホール名をチェックする。
エレベーター、エスカレーターを降りると、大体、そのホテルで一番広いバンケット・ルームの入り口から、「チェック!・・・・チェック!」と聴きなれた人の声が聞こえる。

ホールの前のロビーを通り、重たい扉を開ける。
入ったと途端、「オハヨー」・・・とPAスピーカーから声がかかる。

そのまま、100位のテーブル、席の間をステージに向かい、階段を上がる。
セッティングされているアンプの前に行くと、譜面台が各人用にある。


マネージャーから譜面が回って来る。
ドラマーはセットの前に座ると、スネアのチューニングからはじめる。

私は、ギターをケースから出して、エフェクター・ケースを開き、譜面台の手前に広げる。

そして、チューニング。


だれからともなくセッションが始まる。誰かが弾き始めたフレーズに、誰からともなく絡んでいく。

少し”遊び”のジャムがあって、「おはようございます。」改めて、オペレーターの声が、モニタースピーカーから飛び出して来る。

「誰さん、声ちょうだい・・・」という指示に従って、各々前にセットしてあるマイクに喋る・怒鳴る・漫才る・・・・という感じでチェックは進む。

それぞれのマイクと、PA卓のチャンネルが判別できたところで、「全体でください!!」・・・と来る。

そして、バンドマスターから、「○×▲!!」・・・と曲名が告げられ、ドラマーがカウントを出し、曲が始まる。


・・・というような、雰囲気。
懐かしい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。