部屋に戻ると・・・・机の上には五線紙の山・・・・。

演奏の仕事を終わって、六本木の部屋に帰ると、部屋では期限の付いたカセット・テープが待っていた。

新譜の音源のオープンからのコピーのカセットをイヤホーンで聴きながら、”採譜”していく。

バンド全体の採譜が主だった。
まず、”ドラムのキック”から・・・。
次に、ドラムの他の楽器。
”曲のリピート”をきめるために、次にVocとコード楽器だった。

・・・細かい手順は、忘れた。
キーボードの入っている編成では、大体右手だけ・・・。
ピアノのイントロがある曲では、ピアノの両手から・・・。


まあ、神経の磨り減る作業ではある。
慣れてきた時期には、早く拾えるようになった。
膝にギターを乗せて、音を確認しながらの作業である。


六本木に住んでいるころは、まだ、キーボードが部屋に無かった。
その前は、府中だったが、やはり、ギター・・・だった。



演奏の無い日は、昼間、イヤホーンと首っ引きだった。
”レインボウ”や”ホワイト・スネーク”、”エアロ・スミス””バッド・カンパニー””ヴァン・ヘイレン””チープ・トリック”などは、「パート譜シリーズ」で新譜全曲だったりする。

当然、納期限はある。
演奏の仕事が多くなって、納期に遅れる事が多くなり、辞退させていただいた??・・・・ように・・・・思う?・・・。


しかし、この作業は、後のアレンジの仕事に大きなプラスになった事は、間違いない。


単価は決して高くは無かった。
むしろ、演奏の仕事の方が、わりは良かった。
・・といっても、皆さんが良くやっている”ライブ”ではない。いわゆる”営業”という世界。

「演歌」もあれば、「歌謡曲」もある。
有名な歌手の方の伴奏である。
ディナー・ショーが主流で、たまに会館での放送収録とかもあった。

リハーサルを一回やったら、後は本番。
「ライブ・バンド」の贅沢な練習量などありえない。

そして、終わったら、”それっきり”である。
そんな中、レギュラーのバックアップのシンガーもやらせてもらった。

ラテンのアイ・ジョージさん、R&Bのキング・トーンズ。
二回以上半レギュラーでやらせてもらった、ヒデロザのお二人。
中でも、ジョージさんとは、「地獄のツアー」の連続だった。



・・・などなど。
また書かせていただくつもり・・・。