”オーケストレーション”への夢

”尚美”に在学中、授業の中に「管弦楽法」という時間があった。クラシックのオーケストレーションの方法についての内容なのだが・・・。
 
 あの頃、”一枚のレコード”に惹かれるものがあった。「ウェス・モンゴメリー」の「A Day in the life」。
 本家のビートルズの音をまだ聞いたことがない頃に、こちらの方が先だった。そして、ジャズなのに弦やクラシックの管弦楽に出てくるオーボエとかが使ってあった。
 当時、先輩たちのこの手のアルバムに対する評価はきわめて悪かった。「シャリ・コマ」・・・「コマーシャリズム」をバンド用語で言った言葉だった。

 ・・・でも、ひかれる。
「アレンジ」というものに対する”あこがれ”だったのかもしれない。”ドン・セベスキー”・・・とクレジットがあった。
CTI」からの3枚のアルバムは同じコンセプトで作られていた。マイナリティーの世界である。楽器を弾くのとは違った、手間のかかる創作活動である。
 自然・・・、敬遠される。

 ・・・でも、ひかれ続けている・・・、今でも。